せん妄が激しくなっている末期がんの女性と、その女性が昔経営していた飲み屋で働いている話題に話を合わせていると、どんどん笑顔が増えてきたんです
「今日はいつ頃(何時に)これるの~」と常連客と思って話をするようになり、最期も「またきてね~」と笑顔で眠るように息を引き取られて
ご家族もそのことを知っていて、「本当にもう~」と
スタッフとともに、涙ではなく、笑いながら見送ることができました
若いがん末期の女性の入居者様のお母さまが、「娘がお世話になった医心館で私も過ごしたい」と入居されました
ご本人も末期のがんで、他の施設に入居されていたが、
がんが進行し、その施設では対応ができなくなったため医心館を選んだが、その時には娘さんはご逝去されており、会うことは叶わなかったんです
そのため、逝去前に娘さんがどんな風に医心館で過ごされていたのかを、話すようにしていると「娘がどこかのお部屋にいるみたいで、会ったみたいだ」と号泣された姿をみて、思わず一緒に号泣してしまいました
医心館での入居者様の最期の迎え方は、どの方も心に残ります
入居者様をご家族が囲み「ありがとう」や「あちらに行っても元気でね」などの声をかけていて、不思議と泣いている方はすくないんです
ご逝去した後は、必ず、私たちスタッフに「ここで最期を迎えられて本当によかったです」といっていただけます
重度の筋ジストロフィーで、食べることも厳しくなり、胃ろうからの経管栄養で、言葉を発することもほとんどなくなった入居者様がいました
日勤のフリーでその方のケアに入り、お昼の経管栄養を外そうとしたときに、「お茶飲みたい!」ってはっきりおっしゃったんです
急いで、一緒に入居されているご主人を呼んできたけれど、それ以上の言葉は聞けませんでした
でも何とか、入居者様の希望を叶えたくて、先輩に相談しまして、お茶を含ませたスポンジで、口の中を湿らせたり、夕方分の経管栄養の最後の白湯50ccをお茶にかえてみたりしました。そうしたら、普段と変わらない表情が、少し笑顔になって、ご主人もとっても嬉しそうだったことが印象に残っています
筋力の低下で、ナースコールが押せなくなってきたか入居者様に、バーを下すだけでナースコールが鳴るような装置を、スタッフ全員で考えました
ベッドに設置して、実際に試してみてナースコールが鳴った時の利用者様、スタッフの笑顔が忘れられません