山パン、23年12月期純利益62%増と3円増配 値上げ寄与
山崎製パンは1日、2023年12月期の連結純利益が前期比62%増の200億円になる見通しと発表した。従来見通しを50億円上回り、17年12月期(251億円)以来6期ぶりの高水準の利益になる。原材料高に対応してパンを値上げしたことに加え、低価格品などの投入で需要を取り込んだことが奏功した。年間配当は前期比3円増の25円に増やす。
売上高は5%増の1兆1330億円と、従来予想を250億円上回る見通し。小麦や原材料価格の上昇に対応し、22年7月から2度にわたってパンを値上げした。値上げ効果に加え、高付加価値品や低価格品などの品ぞろえ強化や、外出再開によるコンビニなど流通事業の回復を反映する。45%増の380億円を見込む経常利益は過去最高益となる。
23年1〜6月期の連結決算は、売上高が前年同期比7%増の5639億円、純利益が56%増の140億円だった。値上げが続く食品の中で、相対的な割安感からパンの需要が高まり、菓子パンの販売数量が5%増えた。為替差益や助成金収入の減少があったものの、本業の好調で吸収した。