ここが面白い!
・法律で裁けない悪を描く
・どんな悪人でも依頼を受ければ確実に無罪にする
善し悪しだけでは人を正しく裁くことはできない。
本当にあり得そうな話を「法律」の観点から描いた作品です。
概要
・半グレ、ヤクザ、前科持ちなど、厄介な案件を扱う弁護士
・不条理と暴力が渦巻く、ヒューマンドラマ
現代日本を題材にした現実味のあるフィクション作品です。
あらすじ
飲酒運転に加えスマホゲームによる、よそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
父親は死亡し、息子は片足切断という事態に。
犯人はひき逃げした状態で、知り合いの自動車工場に逃げ込むが、修理を拒否される。
死亡事故の場合、警察の検挙率の高さを知っているからだ。
その代わり、懇意にしている弁護士を紹介される。
他の弁護士がやりたがらない、どんな仕事でも受ける九条間人(くじょう・たいざ)
詳しい内容を聞き、それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから、
出頭し何もしゃべるなと指示を出す。
犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取る。
次々と悪人の依頼を受ける九条に、果たしてどんな運命が待ち受けているのか・・・。
感想
「闇金ウシジマ君」と同じ作者と聞けば、大体想像できるかもしれないです。
法律を詳しく知らなくても、楽しめるように描かれています。
裁判になる前に、様々な思惑が交差する。
悪人には悪人をぶつけるという展開もあるので、結末がどうなるか全く読めないです。
感情論では裁けない
どう見ても重罪と分かるように描かれているが、弁護次第で無罪に近づけてしまう。
法律と道徳を分けて、どんな人にも弁護権があると考えている主人公。
依頼人の利益のために、最良の解決策を追及していくストーリーとなっています。
人間の本性
法律の「平等」というイメージとは対照的に、登場人物の身勝手さがリアルです。
自己の利益だけを追求し、他人に迷惑を掛けても何とも思わない人たちが出てきます。
そんな悪人でも、法律に守られてしまう。
被害者は泣き寝入りするしかないという結果に、色々考えさせられます。
コメント