新型コロナウイルス後遺症外来

「新型コロナウイルス後遺症外来(完全予約制)」について

当院では、新型コロナウイルス感染から回復しても何らかの後遺症にお悩みの方がご相談できるような診療窓口を設けました。
診療をご希望される方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。

※予約制の為、事前にお電話で予約をお取りください。

診     察
月、水、金曜日
14:00~17:00
患者様予約専用受付 0564-64-6140(予約専用)
9:00~15:00(平日)

対象者

①15歳以上の方
②自宅待機明け2週間以上経過した方
③新型コロナウイルス感染発症後1ヵ月以上経過した方

医師紹介

教授 馬場 研二

専門分野:呼吸器病学,アレルギー学,胸部画像診断学

専門医等:

  • 日本内科学会認定医
  • 日本呼吸器学会専門医・指導医
  • 日本アレルギー学会専門医・指導医
  • 日本臨床腫瘍学会暫定指導医
  • インフェクション・コントロールドクター

新型コロナウイルス感染症後について

愛知医科大学メディカルセンターは、2022年3月14日から新型コロナウイルスの罹患後も長期にわたって何らかの症状(コロナ後遺症)に苦しむ患者さんを対象とした相談窓口(コロナ後遺症外来)を開設しました。2021年4月より2022年2月まで,愛知医科大学メディカルクリニックにおいて多くのコロナ後遺症に悩む患者さんの診療を行って参りましたが、このたび本学における診療体制の変更に伴い、コロナ後遺症外来の拠点を当センターに移動することになったものです。

コロナ後遺症は、全身倦怠感、呼吸困難感、気分の落ち込み、思考力や集中力の低下、咳や痰、味覚・嗅覚障害、脱毛の他、関節痛、胸痛、筋肉痛、目や口の乾燥、めまい、結膜充血、頭痛、食欲不振、のどの痛み、下痢、記憶障害、睡眠障害など、極めて多岐にわたるだけでなく、これらの症状がいくつも重なっている場合が少なくありません。また、コロナ感染時の重症度が軽症でも後遺症に悩む患者さんがいることが明らかになっています。ただ、本年1月から急速に感染拡大したオミクロン株については、感染時に嗅覚・味覚障害の割合が少ない代わり、咽頭痛などが強い場合があり、後遺症としての臨床像については、これまでとは少し異なる可能性があります。

コロナ後遺症は、現在のところ、以下が絡んで起こると考えられています。
1. 新型コロナウイルスに感染していた時の症状が続いている
2. 感染が原因で肺や心臓が障害される(特にコロナ感染症が重症だった場合)
3. 新型コロナウイルス感染後の疲労症候群:これは,自律神経障害などを特徴とする筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に似た症状といわれています。睡眠障害や認知症様症状、判断力・思考力の低下もその中に入ります。
4. 集中治療後症候群:重症の場合にICUなどの集中治療からの回復後におこる、身体障害・認知機能障害・精神障害などの症状。

病態についても分からない事が多く、確実な治療法も確立されていません。愛知医科大学メディカルクリニックにおいて、第3波の流行期に新型コロナウイルスのPCRが陽性と診断された患者さんを経過観察すると、感染後1ヶ月の時点で54.4%、3ヶ月後に31.1%、6ヶ月後でも16.7%の患者さんが、何らかの後遺症状を訴えていました。中には1年以上にわたって症状が続いた患者さんもいます。いったん治まっても、仕事のペースを上げたり無理をすることで再発する患者さんもいます。同クリニック行って参りましたコロナ後遺症外来では、長期にわたる後遺症状で最も多いのは倦怠感・疲労感で労作時息切れ、記憶障害や思考力の低下、からだの痛みといった症状を訴える人も少なくありませんでした。愛知医科大学メディカルセンターでは、慢性疲労症候群の診療に経験豊富な総合診療科の他、呼吸器内科、皮膚科はじめ、痛みを専門とする疼痛緩和外科などがあり、診療科間の緊密な連携のもとに、1人の患者さんを総合的に診療していくことを心がけています。これまで愛知医科大学メディカルクリニックで多くの患者さんを診療して参りました経験をもとに、コロナ後遺症に悩む患者さんと共に考え、それぞれの患者さんに最も適したケアを目指していくことで、少しでも安心して日常生活を送ることができるよう努力したいと考えています。

当センターは大学の附属施設でもあるのでコロナ後遺症とは実際どういうものか、どういう経緯で改善していくのか、あるいはどういう背景を持つと回復が遅いのか、といった長期にわたる具体的な臨床経過を患者さんの診療を通じてできるだけ明らかにしたいと考えています。

※診療はすべて予約制です。15以上の年齢の方を対象としています。診療をご希望の方は、下記へご連絡して予約をとってお越し下さい。