ChatGPTの仕組みや使い方にはもうすっかり慣れました。ChatGPTを起動してクエリを書くと、AIはそれに応じて反応します。
ただし内容の正確性は100%ではありません。ChatGPTとのチャットは驚くほど人間的ですが、結局のところただのテキストの交換に過ぎないのです。
チャットボットは、対面での会話や電話のように音声で会話できるレベルではありません。少なくとも、外部の力を借りない限りは。
ChatGPTとの会話を可能にするChrome拡張機能
ChatGPTと音声で会話にするには、Userly Labs氏が開発した新しいChrome拡張機能、TalkBerryの助けを借りましょう。
TalkBerryは、この開発者のTwitterアカウントによると、AIを搭載した言語学習ツールとしてスタートしたようです。
しかし、TalkBerryは言語学習にはあまり重点を置いておらず、ChatGPTに音声で話しかけると、それに応じて応答してくれるようになっています。
TalkBerryの使い方
TalkBerryのセットアップはとても簡単。
- Chromeウェブストアから拡張機能をインストールし、ChatGPTウェブアプリにアクセスする。ここで新しい緑色のマイクボタンが表示される。
- マイクボタンをクリックするか、スペースバーを押してマイクを起動させる。初回はこの拡張機能にマイクの使用許可を与える必要がある。
- それが済んだら会話を開始する。「Enter」キーで自分側のチャットを終了し、「Escape」キーでチャットを完全に中止できる。
ChatGPTは通常通り、質問を処理して回答を書き出しますが、それが終わると結果を音声で読み上げます。
ChatGPTの音声は、緑のマイクボタンの横にあるコントロールストリップでカスタマイズが可能で、言語(現時点では13種類)、スピード、音声(現時点では29種類の英語の音声)を変更できます。
また、必要に応じて、ChatGPTに別の言語で応答させることもOK。
このため、TalkBerryは、開発者がもともと作成した言語学習アプリに少し似ています。上手く機能しており、セットアップもシームレス。これは開発者に感謝ですね。
TalkBerryの登場が意味すること
しかし、TalkBerryは、巧妙なトリック以上のものであり、映画『her/世界でひとつの彼女』が2013年に予言したことに一歩近づいています。
ChatGPTが音声で対話できるようにしたことで、視覚障がいを持つユーザーにもチャットボットが使えるようになりました。
方法は実にシンプル。ボタンを押すだけで、ChatGPTと会話することができ、もう1度ボタンを押せば、すぐに会話形式で回答が返ってきます。
ChatGPTのようなツールは、できるだけ多くの人が利用できるようにすべきでしょう。
現在の技術によってアクセシビリティ機能は進化しているので、未来にはもっとアクセシビリティが高いAIが登場するはず。
しかし、それまでは、TalkBerryのようなツールによって、より多くの人がChatGPTや急成長する一般消費者向けAIを体験することができるでしょう。
しかし、プライバシーの面も考慮する必要があります。
TalkBerryは、「ユーザーの活動」にアクセスすると主張していますが、Chromeによれば、これはネットワーク利用状況の監視からキーストロークの記録まで、あらゆることを意味しうる曖昧な主張です。
開発者は、ユーザーのデータは拡張機能のコア機能以外では使用されず、「承認された使用例以外」では第三者に販売されず、ユーザーの信用度の判断にも(そんなことは思いもしませんでしたが)使用されないと主張しています。
さらに、設定を細かく見ていくと、ChatGPTのウェブアプリにしかアクセスできないので、ほかのアプリやサイトでの活動と相互作用することはないはずです。
私は、「ユーザーの活動」は、TalkBerryを動かすために必要なデータであり、ユーザーの話し言葉をChatGPTプロンプトに変えるためのものだろうと楽観的に考えることにします。
ただし、TalkBerryを使用しないときは、念のためにオフにしておいたほうがいいかもしれません。
Source: Chrome ウェブストア, Twitter(1, 2), OpenAI, YouTube